遊具等のペンキ塗りについて
一般に、用務員の仕事のイメージに近い仕事の一つが、ペンキ塗りの作業です。
ペンキを塗る理由としては、美観もさることながら、遊具の腐食の進行を防ぐと言う意味が、実は一番大きいです。
多くの遊具は鉄など金属生で、腐食すると穴が開いたり、ささくれが出たりと危険です。
そのような事になる前の対処がペンキ塗りなのです。
ただ、ペンキ塗りと言っても段取りがあります。
ペンキの塗り方についてはネット上で調べればすぐ分かりますが、塗装作業が全くの未経験の方のために、まずは簡単な塗装方法についての概略を説明します。
基本の流れが理解できれば、後は各自で調べて行えるようになります。
ペンキを塗る前に行うこと
塗装が剥がれていても、いきなりペンキは塗りません。
まずは、表面の汚れを落とします。
可能ならば、水道水で洗い流すのは効果的です。
水場が遠い場合
しかし、校庭などで水場から遠ければ、バケツに水を入れ、湿った雑巾で汚れを取り除くだけでもかなり違います。
サビ取りを行う
次に行うことはサビ取りです。
ワイヤーブラシやサンダー(電動やすり)で、可能な限り、サビを落とします。
用務員室にはサンダーは比較的にあるものです。
サンダーを使用する時の注意点ですが、想像以上に破片が飛び散ります。
サビの破片が目に入ると、中々取れません。
実際、私もほんのちょっとの作業だったので、ついゴーグルをせずに行った事があったのですが、そのちょっとの油断で、目の中に破片が入り、サビの破片を取るのに大変な思いをしたことがあります。
もし学校にゴーグルがなくとも、自腹で買ってでもゴーグルは着用しましょう。
自腹と言っても、安いゴーグルなら数百円で買えますし、初任時の慣れない頃は、事故が最も発生しやすい時期でもあります。
サビ止めを塗る
サビ取りが終わったら下地塗料としてとしてサビ止めを塗ります。
サビ止めにも種類がありますが、エポキシ系のサビ止め塗料を塗る時は、必ず上塗りをして下さい。
エポキシ系の塗料の難点は紫外線い弱い事です。
屋外遊具は紫外線にさらされますから、上塗りに時間が取れないようなら、サビ止めを塗らずに本塗りをする方が現実的です。
本来なら下地塗りは基本なのです。
しかし、学校と言う職場では授業の都合上、作業時間には限りがある場合も多いものです。
そのような場合の方法も、用務員は常に覚える必要があります。
ペンキを塗る(本塗り)
サビ止めを塗った後、もしくはサビ取り後の工程が、ようやく一般的なイメージであるペンキ塗りです。
屋外遊具にもよく使うの塗料の種類の例としては、
- アクリル系(耐用年数:5年程度)
- ウレタン系(耐用年数:8年程度)
- シリコン系(耐用年数:10年程度)
などがあります。
この中でも価格についてはシリコン系が高いものの耐久性が高いので、年間コストで言えば、他の塗料と同程度にはなります。
ただ、学校の遊具は子供が使うため、かなり乱暴です。
よって、塗料の耐久性がいかにあっても、実はよくはがれるものです。
本音のところで言えば、学校の遊具に使う塗料なら、油性ペンキなら何でもOKです。
但し、屋外遊具の塗料には水性塗料の使用はお勧めできません。
本当に、すぐにはがれてしまいます。
まとめ
- 塗装の前には汚れを落とす
- 汚れを落としたら、サビを落とす
- サビ取り後に、錆止め剤を塗る
- 錆止めが終わったら、本塗りをする
これが塗装の基本工程です。