第2種電気工事士への最短学習法

用務員へ採用される際に最も役立つ資格の中でも最高峰にあるのは第2種電気工事士です。

校内では蛍光灯からコンセントの修理、催しの際の電源の準備と幅広く重宝します。

用務員の就職に限らず、電気工事士の資格所有者は求人数が多く、第2種電気工事士の資格があるだけでショッピングモールなどの設備管理の仕事に就くことも可能。有資格者は年齢不問の未経験でも採用される資格ですから、取得するだけでも価値ある資格です。

このページでは、そんな第2種電気工事士の取得のための、大きな流れを説明します。


電気工事士の資格とは?

電気工事士とは名前の通り、電気工事をするための資格です。

もっと簡単に言えば、電線と電線を、電線と電気器具をつなぐための資格です。

電気配線は工事の仕方を間違えると火災の原因にもなり、大変危険なものなのです。

なので、一定の仕組みやルールを理解をした者のみに電気工事の作業をさせるようにするために、電気工事士の資格制度があります。



電気工事士の種類

電気工事士にも種類があります。

簡単に説明すると、

  • 一般家庭や商店の店舗の電気工事までが、第2種電気工事士
  • それ以上の規模(ビル・工場)になると、第1種電気工事士

つまり、資格の種類としては、第1種電気工事士と、第2種電気工事士があります。

他に特殊なものとして、
  • 特種電気工事従事者(ネオン・発電機)
  • 認定電気工事従事者(一部、限定解除みたいなもの。校内作業では必要
というものもあり、講習で取得します。

これらの認定資格の取得するには、電気工事士の有資が必要です。


受験時期について

第2種電気工事士は年2回の受験の機会があります。

受験時期については、上期(6月頃)と下期(10月頃)の年2回です。



受験資格


第1種、第2種電気工事士共に、受験資格には年齢も含め制限はありませんが、第1種電気工事士については、5年間の実務経験がないと資格が発行されません。

ただ、第1種電気工事士に合格しても実務経験がないと免状は発行できない仕組みなので、第2種電気工事士の取得を目指すことがスタートになります。


第2種電気工事士の受験スケジュール

申込から教材準備、受験対策の流れは下記のようになります。

また、下記のスケジュールについては一例であり、受験者の裁量や受験機関のスケジュールにより変更すべき項目はその都度変えるようにして下さい。

筆記試験  受験3ヶ月前

受験申込
技能試験動画の視聴開始(資格の概略を学ぶ)

筆記試験  受験2ヶ月前

筆記試験問題集・参考書を購入
筆記試験対策を開始

筆記試験  受験1ヶ月前

筆記試験に加え複線図の学習を開始


筆記試験受験

自己採点で合否判明
合格が見込まれれば技能試験教材と工具を購入
技能試験対策開始
技能試験動画の視聴を繰り返す


筆記試験終了  1ヶ月後

郵送通及びインターネットで筆記試験の合格発表
技能試験対策を継続


筆記試験終了  2ヶ月後

技能試験の実施


合格発表

技能試験受験1ヶ月後

筆記試験対策

筆記試験の対策は実にシンプルです。

電気工事士の筆記試験では、60点以上取れば合格します。

つまり、筆記試験の対策とは満点を取る方法ではなく、60点以上取る勉強方法することが、最も効率の高い勉強法と言えます。

確実に合格ラインを取る勉強法

資格試験の勉強方法で、一番無駄な勉強法とは満点を目指す勉強方法です。

不得意科目も攻略する勉強方法ですが、不得意科目を攻略する勉強に必要な時間は、全体の80%に及ぶと言われます。

電気工事士の筆記試験の合格ラインは60点。

逆に言えば、満点を目指さなければ満点を目指す勉強時間の20%学習時間で、合格は可能だと言えます。

合格ラインが60点と決まっている電気工事士の試験なら満点を目指す勉強方法は単なる時間のムダなのです。

目標得点は80点を目指し勉強時間を短縮することで、筆記試験合格後に受験する技能試験の準備を行います。

電気工事士の技能試験ではミスが許されず、一つでも間違えれば不合格です。

同じ学習エネルギーを使うなら、後半の技能試験のための学習時間に使いましょう。


具体的な勉強方法

電気工事士の筆記試験では、問題集の問題を最低3回以上は解くことです。

1回目は、わかっても、わからなくても、最後まで一通り問題集を一度は全て解くことがとても大切な勉強のコツです。

その理由は、問題の全体像を探るためです。

そして、分からなかった箇所はマークしておくと、一通り問題を解くと得意な科目と不得意な科目が見えてきます。

2回目は、間違った箇所を意識して回答してみます。

この時、間違った答えの意味を理解できているかを確認します。

それでもまた間違ったら、またマークしておきます。

この時点で、マークが二つあるものは、不得意な科目とも言えます。

そして3回目も、同じように繰り返し、それでもまた間違ったら、完全に不得意科目です。

もしこの時点で不得意科目があっても、全体の80%以上理解できているようなら、この時点で不得意科目は捨て問題とします。

捨て問題とは、覚えるのをやめることです。

分からない問題に力を入れ過ぎ、得意科目を落としてしまったら、本末転倒ですから、得意な物だけ勉強しとけば十分です。


技能試験対策

電気工事士の独学において、一番の難関技能試験の対策です。

その理由として、技能試験においては実際の電材を使用して、制限時間内に正確に加工(回答)しないといけません。

筆記試験と大きく違う点としては、一つミスで不合格になる事です。

技能試験とは、限られた時間材料を使用して、ミスのない正確な作業を行う事です。



技能試験対策の種類

独学の場合、以下の試験対策方法があります。

公的・民間の技能試験前の技能対策講座を受講

技能試験前になると様々な職業訓練施設で、1〜3日間の技能対策の夜間や土日を使った受験準備講座が開かれます。

これらの受講で受講するメリットは、講座に参加すれば、確実に合格するコツをマスターできることです。

技能試験で正しい合格のコツをマスターしなければ、いくら闇雲に練習しても合格から遠ざかるものです。

最終的には自分で練習を積み重ねる事になりますが、コツをマスターした上での練習をした方が効果的なのは言うまでもありません。

技能試験まで間もない場合や学習時間が取りにくい人には講座受講がお勧めです。


WEB講座(動画)やDVDを見ながら自分で練習を繰り返す

講座に参加したいが、受講日の都合がつかないと行った場合、技能試験対策用のWEB動画やDVD講座があります。

これらの内容は講座受講と同じく的確に試験対策のコツをつかむ事ができます。

動画の利点として、理解できなければ何度も見返せるので、ゆっくり確実に理解をしたい人には講座受講よりも個人的にはお勧めです。


最も重要なの技能対策

技能試験の試験問題は単線図で出題されます。

その単線図を元に、複線図に書き直して実際の作業を開始します。

つまり、(単線図 → 複線図) にする事が技能試験での最初の作業(問題)と言えます。

複線図が書けなければ作業を進められません。

そうした事から、加工の練習よりも複線図を書く練習は最優先すべき項目と言えます。

複線図の問題は筆記試験でも出題されるので、筆記試験が終わるまでには複線図の書き方は必ずマスターすることをお勧めします。



技能試験用の工具と練習素材


電気工事士の技能試験では各人が工具を揃えて持ち込む必要があります。

全くの初心者がこれらを購入するにも、何を揃えてよいのかわからないものです。

そうした事から、どのようにそれらを選ぶのか以下で解説します。

初心者は迷わず工具セット


電気工事士技能試験用工具セットの画像を表示しています。
電気工事士技能試験工具セット(ホーザン)

ホーザンの工具は、第2種電気工事士の技能試験場で、最も多く目にする工具メーカーの製品です。

何故なら、使いやすいです。


上記の画像にある受験用工具セットにはワイヤーストリッパが付属しいますが、中には付属しないセットもあります。

ワイヤーストリッパは指定工具ではありませんが、作業時間の短縮と施工ミスを格段に減らせるので技能試験でのワイヤーストリッパの使用は、事実上の必須工具です。


ワイヤーストリッパを使うことで、安全性と作業スピードが格段に違いがでます。

そのため、多くの受験者は、ワイヤーストリッパが付属した工具セットの購入が一般的です。

基本的に受験用工具セットには電工ナイフ(指定工具)が付属しますが、電工ナイフを使う受験においては少なくとも個人的(ど素人)には、何のメリットもないと断言します。

電工ナイフを使うなら、代わりにニッパーかカッターナイフを使った方がマシです。

ちなみに私は、電工ナイフの代わりに追加工具としてニッパーを持参しました。

電工用ニッパーの画像を表示しています。
電工用ニッパー
硬い2.0mmの芯線も楽に切れ、ハサミのように使える

余談ですが、工具セットに付属する工具袋が案外重宝します。

狭い受験場での工具の取り扱いは思いのほか大変で、慌てて作業をすれば、机の下に工具を落とすこともあります。

この工具袋はコンパクトで、布の筆箱を少し大きくしたようなものですが、ファスナーを開けば広がるので、この上に工具を並べておくことができ、ドライバー等の転がりやすい工具も安定して置け、技能試験に集中できます。


練習材料は1回分でOK


第2種電気工事士の技能試験練習材料セットの画像を表示しています。
技能試験の候補問題として出題される材料の全て
初心者が自力で用意するのは困難

はっきり言えば、初心者がホームセンターなどで電気工事士の練習材料を一から全てそろえる事は不可能ではありませんが、あまりに面倒です。

候補問題を見ながら部品をそろえるのは大変な労力です。

出題範囲に金属製の電線菅などありますが、練習では10cm程度しか使用しないのに、ホームセンターなどでは、短くても数十センチから1メートル以上からの販売になります。


セット買いした方が、時間、労力ともに無駄がありません。買った(届いた)その日から、すぐ練習が可能です。

また、セット購入時に多くの人が迷う点は、セット内容にある練習回数の分量。

これははっきり言って、最小練習量の「1回分」で十分です。

もし練習で足りなくなった場合こそホームセンターを利用し材料を購入すれば良いのです。

現実的には、ケーブルのみの追加購入で十分に練習できます。




合格クリップについて

合格クリップの使用例の画像です。
合格クリップの使用例
仮組みを確認し、そのまま安定して圧着できる

実際に素手で電線をリングスリーブで圧着知るとわかりますが、ズレることは多々あります。

そのため、上の写真にあるような合格クリップを使う人は多いです。

クリップの一番の利点として、圧着接続前に組み上げた配線の確認ができること。

間違えて圧着してしまえば、ケーブルをカットし再び作業です。

ミスの多くは加工より接続ですが、クリップを使うだけで正確にチェックできるメリットは計り知れません。

また、他の方法としては結束バンドを使用があります。

最低でも結束バンドを用意すべきと思います。


電気工事士の受験用教材

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