このページの要点
- 用務員の仕事は浅く広く用務員の仕事だけでは専門性は得られない
- 様々な仕事に触れる中で自分自身の適性と適職が見えてくる
- 用務員以外の道を目指す場合、用務員と言う職場は最高の場所となる
学校に勤務する用務員になると、その後の生き方の方向性が大きく変わることがあります。
その理由の一つとして、用務員と言う仕事では仕事内容が広範囲に及び、様々な業務を日々体験するからです。
そのような体験や経験によって、興味対象や適性を自分自身で再認識することがあります。
このような仕事内容は、他業種では殆ど存在しません。
一見、何の取り柄もなさそうな仕事に見えるのが用務員と言う職種ですが、仕事に真剣に向き合えば向き合うほど、実は多くの技能が必要になります。
そのような認識は、現在でも用務員を採用する行政だけでなく、文科省を含む教育関係者にすら認められてはいませんし、今後認められることもないでしょう。
でないからこそ、公立学校の用務員の多くが非正規職員となってるとしか言いようがありません。
このような話は昭和20年代から変わらず、用務員と言う制度すら法的に記されたのは昭和50年代の話です。
そんな職種ではありますが、用務員として勤務することで得られる人生のヒントは決して少ないものではありません。
むしろ、見えないチャンスが多く眠っているのも用務員の仕事と言えます。
今回は用務員としての経験から、どのような道に更に進む可能性があるのかについて、実際の事例を含め紹介していきます。
用務員としてスタートするためには専門性は必要ない
用務員の仕事は専門的な仕事ではありませんし、専門性も必要としません。
誰でも出来ると言えば語弊がありますが、少なくとも用務員としてスタートする時点では、何らかの専門性は必要ないのは確かです。
しかし、それはスタート時点の話であって、そのまま用務員の仕事をしていても、世間のイメージのままで終わることになります。
また、用務員になる人に自身にも、そのようなステレオタイプ的な用務員像しかない場合も多く見られます。
一応、用務員と言えど行政機関の職員なので、あまり突飛なことをされると困ると言うのが、雇い側が考える正直なところです。
こうした中で用務員の最大のメリットは、未経験であっても用務員と言う形で仕事に就けることです。
この事が、その後の用務員としての過ごし方によって、正式に何らかのキャリアへのスタートを切れることを、実はあまり知られていません。
用務員の仕事をすれば自分の適職が見えてくる
言うまでもなく、用務員の仕事内容は多岐に渡ります。
その中で業務をこなし続けていると、客観的にどんな仕事が自分に向いているかわかるものです。
私の場合、花に関しては関連する学科まで出ているにも関わらず、用務員になった後でも全くと言っていい程に、新しい花の名前を覚えられません。
逆に工業的なものは仕事としての経験は少ないのですが、本職の人とも遜色なく話が通じます。
このような事は当たり前ながら、適性の部分が問題なのです。
適性がないことへの努力は人並みになるのが関の山。
逆に適性があることへ努力すれば、人より格段に上達するものです。
そのような現実を踏まえれば、人は数多くの経験をすることで、自分の適性や適職を客観的に見ることが出来るとも言えます。
その点、用務員の仕事は畑仕事から大工仕事、はたまた事務仕事の手伝いまで多彩です。
そのような業務を日々こなすことで、自分が得意とする分野が見えてくるものです。
日々の仕事の経験で転職で成功した例も
例えば、花の管理にしても業務として行えば、花に関しては全くの未経験ではなくなります。
実際に、定年退職をしてからホームセンターに就職した人もいますが、その辺は素人としてでなく、経験者として採用されました。
そして採用後数ヶ月で、瞬く間にグループリーダーに昇進。
このように、用務員としての過ごし方次第で、転職後の生活に大きな影響もありますが、堕落した用務員の時間を過ごした人は、退職後には何の仕事も就けずにいる人もいます。
現在では定年退職をしても、昔のように余裕がない時代ですから、定年退職や再任用が終了したとこで、金銭的に余裕があることはありません。
これからは高齢になっても何らか仕事をすることになるでしょう。
その時、何らかの技術と組織に認められた職歴は再就職の際には大きなものになるのです。
そのためには、用務員としての仕事をしつつも、自分の適正に合った仕事を更に掘り下げ、自身の強みを作ることが、用務員としても個人としても、将来的により大きな力になることは間違えないのです。