意識が高いのは悪い事ではない。
だが、力の入れ場所によっては単なる徒労に終わる。
同じ労力でも、効率が悪ければ結果に差が出るのは言うまでもない。
最小の努力で最良の結果を目指す、それには段取りが必要である。
では、「その段取りをどうすればよいのか?」
今回はその段取力について話したい。
では、本題に入ろう。
仕事には二つの種類が存在する
仕事には大きく分けて二つの出来栄えの世界がある。一つは極め的完成系。
例として自動車製造業などは、最たるものだ。
マーケティングから品質管理まで、徹底した職人的な世界である。
トヨタではないが、製造工程において、踏み出す足一歩の歩数まで無駄な動きを管理される世界である。
完成度が求められるため、製品に汚れ一つあればクレームものだ。
次の二つ目の世界は対処系である。
一般的には「運用」と呼ばれる世界である。
例として、運輸、通信系など、完成された製品を活用する世界のことだ。
例えば鉄道輸送の場合、古くて汚い車両でも、時間通りに安全に運んでくれることが、最良の品質である。
この世界の場合、安全に動かすことが商品であり、見た目や乗り心地などは、選択肢の中ではニの次である。
もちろん、用務員の仕事は学校運営をサポートする仕事なので対処系である。
授業の運営が最優先なので、修理一つにしても高品質の完成よりも、早期の復旧による授業の再開を第一に望まれる仕事であるのだ。
優先順位の見極め方
よって用務員の仕事の場合、仕事における見た目の美しさより、短時間での復旧(修理や授業関連の準備)が望まれる。なので、許される時間内における可能な限りの完成を目指すことになる。
そのためには、先にゴールと言える完成系のイメージを完成させることが、最初の作業と言える。
例えば石膏ボードの壁が敗れ中の電気配線がむき出しになった場合、手持の材料がベニア板しかないなら、適当な大きさにベニア板を貼るしか選択肢はない。
一々、手持のない石膏ボードを注文し、敗れた部分を全て外していたら、短時間での復旧は無理である。
もちろん、同じ材料で貼り替えれば見た目も美しくなるが、学校では安全が最優先される。
よって、材料が手に入るまでの間は、その近辺は立ち入り禁止となる。
そうすればスペースが奪われ、多少なりとも授業に影響が出る。
それよりも、少しでも早く、その場を使いたいのが教員の本音だ。
もちろん、入学式前や卒業式前などなら、綺麗にすることは優先されるが、その時は必要な時間として作業時間は確保される。
よって、用務員の段取りとは、必要な時に必要な作業量を行えばよいのだ。
これは用務員に限らず、どの業種でも言える。
求められる仕事に徹すること
大切なことは、仕事の依頼者が最低限満足する要求を早く提供することである。これは全ての仕事に言える。
経営者ではない場合、仕事とは雇用者(管理職を含む)の意図に対し、素早く労力を提供することに尽きる。
雇用者の要求とは、仕事の出来不出来より、時間内に要求するパフォーマンスが欲しいだけなのが本音だと言うことを忘れてはならない。
仮に仕事の出来がよくても、時間内に仕上がらないのは最悪とも言える。
その辺を考慮すれば、自ずと段取り力は上がる。
あなたの段取り力向上を望みたい。