別に地方公務員になるつもりは無かったが、専門としていた仕事が地元にはなかったのだが、たまたま地方公務員の試験の時期が重なり、受験したら合格したのだ。
採用後は違う仕事をしていたのだが、40歳目前でたまたま用務員への異動が可能だったので、上司には止められたが興味半分応募したら異動が叶った。
公務員になるのに対して勉強した訳ではないが、今とは違う20世紀の話。
比較的に公務員には簡単になれる時代だったのがラッキーだったが、年々役所仕事も激務になりつつある。
そんな中で、私は用務員の仕事へ逃げたのだ。
しかし、その後の社会を見ると、ゾッとしたのは言うまでもない。
その中で感じた事を今回は記す。
公務員の仕事
まず、一番大切な話だが、実態は別として、基本的には公務員の仕事とは公正性が大切なものである事には昔から変わりはない。
故に、一部の特殊な仕事を除いては、基本は常に数年単位でのローテーションをする。
特に小さな地方自治体になる程、その傾向は顕著になる。
昨年度まで住民課にいたのが、建設課へ異動なんか普通なのだ。
もし、あなたが若く、本当の意味でのエキスパートになりたいなら、地方自治体ではなく、国家公務員の方を選ぶべきだろう。
勿論、正規職員で。
採用枠によっての最大の差は研修の質である。
私が当初、国家公務員を選んだのはそのためだった。
逆になんとなく、地元で生きて行きたいなら大きな地方自治体がよい。
人数が多い職場は休みやすい。
しかし、人が多いと言う事は与えられた仕事しか見えないので、公務員の仕事の全体像はわかりにくく、地動説的な見方しかできなくなるデメリットがある。
逆に小さな自治体は何でも屋であり人数は少なく、公務員の中では一番キツイ。
それに小さな自治体の場合、一つの業務のエキスパートにはなりにくく、結果的に役所という職場により依存した人生になる。
しかし反面、様々な行政経験が出来るので、ある程度勤めると退職しても地元中小企業等への事務職への就職はしやすいし、議員や町村長などの役職にも耐えられるようになる。
何事もメリット、デメリットはあるので、その辺は各自の生き方の方針が大切なのだ。
まずは自分自身の性格を正直に見直すことを勧めたい。
嘱託職員(任期制)
用務員の話から飛び過ぎたので、元に戻す。
大多数の用務員は、現在は嘱託職員(任期制)が採用されている。
嘱託職員の多くは、採用先が固定化されるので、公務員の最大のメリットである研修や経験が限定された職場配置となる。
用務員の学校の仕事の殆どは、単なるルーティーンワークであり、実は大きな変化は少ない。
しかも、ある種の閉鎖空間である。
よって、長く勤める程、浮き世離れする危険性が常にあるのだ。
実は、この浮き世離れが問題である。
任期制の職員だと終身勤められる確証はない。
その状態が長く続くと、つい民間の仕事を探す気が無くなるのだ。
実際、そのような嘱託職員を多く見てきたが、残念な結末は多い。
それが、官制ワーキングプアの実態だと思う。
常に目標を持つ事
用務員の仕事は代わり映えはないが、独自で仕事を増やすことは可能だ。
そのような目標を持てば、浮き世離れはしない。
出来ないことを出来るようになることは、人生を豊かにする。
そのためにも、様々な事への挑戦は常に続けるべきである。
例えば、学校の中で多いのが電気系のトラブルなのだが、用務員の全てが電気系に詳しいとは言えない。
なので、電気系のトラブルは業者に出すことが多い。
しかし、用務員が電気系が詳しければ、全てではないが対応は可能になる。
ちなみに学校での電気系のトラブルに多いのは蛍光灯の異常やスイッチの破損なので、比較的簡易な工事で済む場合は多々ある。
しかし、電気系をさわるには電気工事士の資格が必要であるから、そのような資格取得を目指すのも、用務員の目標にもなるだろう。
目標とは作ればいくらでもあるのだ。
ちなみに、電気工事士になるための勉強法はこちらに記すので、興味があるなら参照いただきたい。
終わりに
朗報とも言えるが、政府の方針で嘱託職員の処遇改善が進みつつある。